top of page
アンカー 1
「あたたかい身体」
野口 花梨
2022.3.22-3.28

野口花梨は1999年大阪生まれ、現在日本大学芸術学部写真学科に在籍中。学業と並行し作品を制作、発表しています。 真っ直ぐに、できるだけありのままを写す、野口の写真からはそういった印象を受けます。 思わず目を細めてしまうようなシリアスな情景に対しても、対峙して静かにシャッターを押しているように思えます。 それは被写体のちからに負けない様に自我をぶつけているわけではなく、目の前の事象が誰にも知られず、ひっそりと溶けて消える前に、そこに温もりがあることを写し出しています。 被写体の温度が見えているような、感情の揺らぎを捉えつつも一定の距離を取る、愛情に似て非なる野口の視点。 本展“あたたかい身体”は野口が訪れた北海道での生活を写した作品の中からセレクト、構成した展示です。人間の温度から離れようと訪れた北の地の厳しい寒さは、温もりを一層思い起こすものだったと野口は語ります。 この機会に是非ご高覧下さい。
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
大学1年の冬、北海道で住み込みのアルバイトを始めた。私のことを誰も知らない町はなんだか居心地が良かった。
朝、深く積もった雪に手を入れてみた。しばらくするとやけどをしたように赤くなって、不思議に思った。
この現象とこの町の生活はどこか似ている。
ひどく冷たい空気の中で暮らす動物の生暖かい肌に触れた時、胸の奥底がじんわりと熱くなるのだ。
思うように動かない凍った私の指先にも血が通っていることを改めて知る。
野口 花梨
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
会期:2022年3月22日(火)〜3月28日(月)
13:00〜20:00
会場:Gallery Sennen
〒168-0063 東京都杉並区和泉1-8-11
gallery.sennen@gmail.com
※マスクの着用、手指の消毒にご協力下さい。
混雑時に入場制限を設けさせて頂く場合がございます。
bottom of page